2016年2月14日(日)。
旭川発の映画が、初公開されましたよ!
先日「独占インタビュー」旭川発の映画 A LIFE LINE(ライフライン) で書いた映画ですが、最終的に「生きとし生けるもの」というタイトルで上映を迎えました。
今回、試写会に参加させていただいたのでそこで語られた映画製作の思いをご紹介したいと思います。
生きとし生けるもの
まず試写会の様子ですが、映画が始まる前に作中にも出演される、若松美帆子さんが司会をされ、監督の今津秀邦さん、ゲストとして誘い人(ナレーション)を担当された津川雅彦さん、監修を務めた前・動物園園長の小菅正夫さん、絵本作家のあべ弘士さんが集まり、舞台上でトークショーが行われました。
誘い人 津川雅彦
この映画では、最初と最後に動物たちの世界への誘い人として、津川さんが出演されます。
津川さんは俳優としてももちろん有名な方ですし、マキノ雅彦として映画監督もされています。そしてマキノ監督として、2009年に「旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ」を製作され、それが縁で今津監督や小菅元園長とも親交があるようです。
そんな津川さんが語る、今津監督は詩的な写真を撮る素晴らしいセンスを持ったカメラマンであること。
映画の撮影のときに撮られた、「真っ白な雪の中に顔だけが出ているライオンの絵」は津川さんの大好きなシーンのひとつだと言います。
そして今津監督から送られた年賀状に「映画を作ります」との文字。それを見て、是非映画を見てみたい!できることがあるならお手伝いすると返事をし、急遽誘い人としての出演が決定したそうです。
この映画のタイトル。「生きとし生けるもの」という言葉は、津川さんが今一番好きな言葉で、最初に題名を見たときは痺れたと言います。
古来、日本は縄文の時代から生きとし生けるもの全てに命があり、神が宿る。
その命の平等はなかなか今の日本の日常生活では感じにくい。
動物園も然り。やはり人間よりも動物たちをひとつ下に見てしまう。
そんな中、旭山動物園でライオンとガラス越しに目が合った時、あたかもジャングルで対面するような恐怖を感じたといいます。そして畏敬の念をそのライオンに対して思えたし、死ぬということについても、自分もこのライオンも等しいんだ、と感じたそうです。
そんな津川さんも完成品は今回試写会で見るのが初だそうで、すごく楽しみな様子が伺えました。
監修 旭山動物園・元園長 小菅正夫
小菅さんと今津監督の出会いはもう14年以上になるそうで、今津監督が動物園での撮影も含め、動物たちへの考え方等を色々教えてもらい、今の今津監督があるとのこと。
そういう意味でも、「監修」という立場がふさわしい方なんだと思います。
動物を撮る今津監督を、小菅さんはこう語ります。
今までの動物園のポスターなどの写真は動物が印象的な写真ばかりだった。それに比べて今津さんの写真は、なんと言うか「ふわっと」している。
動物たちが今津さんの存在に気付かないくらい、存在感を消す技をもった人。
だからこそ、動物たちの自然な表情を撮れるのではないか。
そして、この映画を見て思った事が、もっともっとたくさんの素晴らしいシーンがあったのに。身を切る思いで多くのシーンをカットしたんだろう。そう語ります。
動物のプロから見ても、厳選された映像なんだということがわかりました。
絵本作家 あべ弘士
もともと旭山動物園の飼育係だった絵本作家のあべ弘士さん。
有名な著書はこちらですね。
今回のトークショーでは動物園の飼育員時代を振り返り、最初は動物たちを飼い慣らそうと試みて、それが間違いだということに10年たって気付いたと言います。
そう気付いてからも、15年16年とうまくいかない日々を経て、20年たってやっと気配を消さないと動物たちは認めてくれないという答えに行き着いたと語ってくれました。
自然界というのは音が無い世界なんだと感じさせてくれる。そうこの映画を評価します。
雨の音。川の音。虫の声。鳥の声。それが唯一の音であることを、あえて人の声を入れないことで表現した映画になっていると。
監督 今津秀邦
この「生きとし生けるもの」。動物たちの映像を通して、地球に生きる人間対動物ではなく、同じ生き物ということを楽しみながら感じてもらえたら嬉しい。
そう、この映画への思いを語りました。
北海道に住む動物たちの命を是非皆さんも見て感じていただけたらと思います。
CGなんかじゃない、本当の動物たちの”動き”がこの映画にはありました。
今後の映画情報はこちら↓をご確認下さい。
北海道、旭川から発信する映画。たくさんの方に見てもらえるようになるといいですね!!
個人的にもすごく期待しています!
それではー。
by晴翔