こんにちは!
晴翔です。
質問回答その2ということで「素人から見たTPP(の前に農協って何?」の「強い農業をつくる」の部分についてお答えしていきたいと思います。
合わせて回答1の「農協って必要なの?」もご覧下さい。
強い農業とは何か!
TPP関連でもテレビでよく言われてきた、この「強い農業」というフレーズ。
これは何を指しているのか?
テレビの解説者はこれをどう考えているのか?
多分たいして考えていないと思うし、わからないと思いますよ(笑
TPPの不安を煽るために、「いい言葉みーつっけた!」って感じなんじゃないですかね(適当
えっと、「農家から見たTPPとはどんなもの?」でも書きましたが、海外と比べるとそもそも土俵が違うので、「価格勝負」になった時に日本に勝ち目はありません。
相手は賃金が100円、200円以下の国や、日本の道路じゃ3車線くらい占領しちゃって公道を走れないような機械で何十倍の効率、尚且つ大量に生産できる国です。
「価格以外の勝負」
これはもうやってるんですよ。
無農薬野菜や、契約栽培。高品質のこだわり栽培。新品種の開発。
そして現時点で全く歯が立たない。。(収入的な意味で)
もちろん色々なこだわりで他の人と差別化をはかり、上手くいっている人もいますが、それは相手が他の日本の農家です。
例えばですが、1本100円の大根と1000円の大根だったらどちらを買いますか?
1000円の物を買えるのは10人中、良くて1~2人じゃないかな?そもそも1000円もしたら大根なんて買いませんよね?でもこだわって作ってる人は、原価700円以上の作業を費やしています。
じゃあこの100円の大根。遺伝子組み換えによって虫も食べないし、除草剤も効かない品種。周りに雑草が生えても上からジャーっと除草剤をかけるだけ!っていう大根だったとして、知ってたら買いますか?(上からかかった除草剤を吸収しないなんて言ってません。でも枯れないんです)
農家なんて、半分雑草と虫との戦いですからね。これが抑えられれば基本的にコストは下がります。
有名なのは海外産の大豆ですが、それでも知らない人は多いし、加工してあったら分からずに食べちゃいますよね?(上の例みたいな大豆出回ってるんですよ)
大量生産できる国はそういう品種も取り扱っています。そういう問題の物もあるのに、輸入がしやすくなるという怖さもあるかな?もちろん色々検査はするでしょうけど。。
極論ですが農業は他の国では、奴隷か機械がやるものです。その上で僕らは安い農産物を食べられます。「強い農業を目指せ」という人は日本の農家に、奴隷や機械と戦えって言ってるんですよ。
ね?土俵が違うでしょ?
農協や農業者がTPPに反対する理由は簡単。「デメリット」しかないからです。
関税という障壁でこの土俵の区分けをしていたのものを、失くすか減らせと言われてるだけなので。
反対反対といって何もしないのではなく、反対するぐらいしか有効な手段が無いんです。
逆にもしもあったら設備投資可能な大手企業が他を出し抜いてやろうとするでしょう?
もちろん他の産業であれば、TPPが「メリット」になる分野もあるのでしょう。
そちらに稼いでもらって、同じ土俵に立たされてジリ貧な農業を支えてもらうしかないですよね?
だって日本の田んぼや畑が無くなったら困りますからね。
なんてね。
まあ、こうやって農家は過保護に守られているように見えるので叩き安いんですが、実際働いている人特に専業農家は、年収2~300万で春から秋は休み無しという環境で働いてたりします。
上手く稼いでいる人もいますけど割合で言えば少数派。
ではこのままでいいのか?と言われたらまだまだ改善の余地はありますが、何を最優先にするかでここからの道のりが変わります。
前にも書きましたが、僕は農業を「国防」の一貫だと思っているので、急がば回れ派です。
どんなに頑張っても1年に1回しか収穫ができないものもありますし、改善するにも年単位の時間が必要なんです。
さて、また長くなってしまいました。。
少しは伝わったかな?というか回答になってるかな?
わからない事があれば質問頂けたらと思います!
それではー