皆様は農業・農家についてどんなイメージをお持ちでしょうか?
農家はお金持ち。気ままな生活。体が辛そう。美味しいもの食べてそう。
まぁ色々ありますよね。
僕は実家が農家で、子供の頃から畑のそばにいたので、「暇さえあれば石拾いをさせられる」かなぁ。。
こんにちは。晴翔です。
今回は新之介の「新保険で農家収入を補償するのは愚策ではないのか?」より具体的に農家の収入について書いていきます。
【目次】
農家は個人経営の社長
さて、まずは新之介の気になった、日経の記事
「農家の収入を保険で補償 TPP対策、保険料は国も負担」(日経新聞 電子版)
の「収入保険」について具体的な数字を書いてみます。
この記事からわかる事としては
- 過去5年の平均収入の8~9割補償
- 保険の対象はどんな品目でもOK
- 保険の支払いは国で半分持つ
です。
ではこれのモデルケースとして、平均年収500万円で考えてみましょう。
500万円の8割~9割ということなので、9割と考えて450万円が補償限度額になります。
ただ、その年にその人も仕事はするので、例えば年収が400万円に下がった時に50万円の補償があるということですね。
金額で見ると、中々大きな数字かな?
でも自分が経営者として考えたとき、年収が100万円下がる経営って怖くないですか?
災害等で、どうしようもない時以外は使いたいとは思わないですよね。
問題は「TPP」でその災害並の出来事が起こりうる可能性があるということです。
大体これ、「保険」なので掛金が必要です。その金額がいくらになるのかわかりませんが、掛金を払ってまで加入するかしないかは、自己判断になります。
この判断により、加入しない状態で「TPP」による打撃が直撃した場合、その農家はかなりの打撃を受けるでしょう。
国もわからない
要は、国もまだ「TPP」による影響がわからないので、農家の為の保険でもありますが、影響があった時に国が何かしらの「行動」を起こすために必要な時間を稼ぐ「国のための保険」です。
だいたい、五年の平均年収をみられるので、毎年保険の適用になれば、もちろん毎年年収が減っていくことになりますし、「保険料」が上がらないとも限りませんよね。
もう一つ例を
頑張っている農家が400万の年収スタートで毎年100万円づつ年収が上がったとします。
400万+500万+600万+700万+800万=3000万円 3000万÷5年=600万円 |
このケースですと、すごく頑張っている農家なのに600万円までしか対象にならない。
さらに言うなら、これの8割~9割なので、540万円以下の年収にならないと、保険が生きてこない。
去年まで800万の年収の人が、300万円年収が下がった時に、40万円補償してくれる保険です。
意味が無い。。とは言いませんが、もらったところで厳しいですよね?
そもそもこれだけの年収を上げる為には、設備投資や人を雇うことが不可欠になります。
それの支払はどうしましょうね?
結論
・保険として機能させるなら、これじゃ足りない。
・農家の収入を守る「収入保険」と言いつつ、国への保険でもある。
・これで儲けるのは農家じゃなくて「保険屋」(だって支払いの半額は国持ちですよ?)
さて、冒頭にも書きましたが、農家は個人経営の社長です。
そして、自分が経営者だ。社長だ。と認識している農家と、そうでない農家ではそもそもの考え方も違いますし、収入も全然違います。
問題はこれらの全てに目を向けて、いい具合のところで守って行かなければならないことです。
新之介の、「頑張っていない農家に補償なんてして欲しくない!」という気持ち。
とてもよくわかります。
「頑張っている農家は、評価されるべきだし、収入も良くするべき。」
これもわかります。
これらの気持ちがわかったうえで言いますが、農業は競争するものじゃないんです。
何故か。というのは
に書きましたが、日本として守りたいのは畑であり作物を作れる人なんですよね。
農家が公務員なら話しは早いんですが、今の時代そうはなりませんよね。
いろんな利権も絡みますし、個人で頑張るからこその新技術もある。
それでも、農業情勢が厳しいからといって
高収入の農家=正義
の図式を成り立たせてはいけないんです。
これに気づいている農家も政治家も少ないんじゃないかな。。。
TPPの影響はどうせ1年2年じゃそれほど現れて来ないと思います。でも、10年後に影響があった時、日本の農家の年齢は75%以上が70代以上になっていきます。
70代のおじいちゃんが、どれぐらい新しい農業のこと考えていけるかな??
何にせよ今の農業においては「TPP」は不必要なものです。
ただし、日本としてそちらに舵をきったからには、上手く進んでいくしかないですね。
今日はだいぶ長くなってしまいました。
読んでくれた方ありがとうございます!
こんな感じでたまーに真面目な記事も書いていきますよ。
それではー